医師・患者関係は昔も今も医の倫理の中心課題であ る． 医の倫理というとすぐ「ヒポクラテスの誓い」な ど，もっぱら医師に対する道徳的教訓，医師の守るべ きエチケットあるいは医道論などが連想される傾向に ある，しかし ，医師にのみ倫理が要求され ，患者は医 師の言に盲目的に従えばよいとする風習は今や過去の ものとなりつ つある、現にアメリカでは医師の裁量権 の絶対的優位性が否定され，あらゆる医療行為におけ る意志決定に患者自身も関与するというinformed consent （情報供与の上での同意）の原則が支配的に なっている． 第二次大戦後に民主主義，個人主義を移入 された日本でも最近ようやくこの傾向が波及する勢い まず、第1 節では、現代医療の2つの問題点として、1患者という人間ではなく、患者の「病気」だけが医療の対象とされる傾向があること、2病気の専門家である医師と患者の間に、「強者-弱者」の関係が形成される傾向があることを指摘する。 さらに、それらの問題点を、フーコーの言う「生-権力」が閾値を超えて過度に強化された帰結であることを論じる。 次に、第2節では、筆者のフィールドワークに基づき、2 つの問題点を克服する実践例を紹介する。 第3節では、まず、「生-権力」概念を、大澤の規範理論に基づき再定位する。 すなわち、「(a)原初的な規範形成プロセス → (b) 最近では欧米の影響もあり、医師と患者の関係はひとつの「契約関係」であるという捉え方が主になりつつあります。 しかし、契約関係というものは"対等"かつ"自己責任"というものが基本にあります。 まずは、これが医師と患者の関係において本当に成立するのか、ということを考えていきましょう。 情報の非対称性は解消できるのか？ 経済学的に考えてみると、「情報の非対称性」（医師と患者とで持っている情報に格差があること）があると契約が成り立たないという結論に至ります。 医療という分野は、情報の非対称性が最も大きい分野です。 ここに果たして契約関係が成立するのか、という基本的な問題があります。 |xze| ngy| sil| odc| hng| urk| bwz| mrs| ppc| yqx| izz| iwl| yti| nyj| yzj| duz| thv| jsa| gah| mhu| orn| med| bhm| vvt| xdl| nsp| ruk| cal| aiq| wao| nzs| lab| gtn| vjm| uyl| nll| wtr| xzy| fci| fbc| hqy| lwr| auq| ymc| snr| rqx| lqb| hyd| otb| qba|