現在最も経済的にすぐれた工業的手法として、世界中で採用されているのがホール・エルー法（1886年発明）と呼ばれる電気分解による製錬法です。 その工程は以下のとおりです。 まず、アルミニウムの酸化物であるアルミナを、氷晶石やふっ化アルミニウムを高温で溶かしたものに混合します。 これはアルミナの融点が高いため、電気分解が可能な温度（約1000℃）で溶解させるためです。 これを電解炉に入れ、電気分解によって還元すると、アルミナはアルミニウムと酸素とに分解され、溶けたアルミニウムは、電解炉の底にたまります。 この溶けたアルミニウムを取り出し、保持炉に移して必要な成分・純度に調整し、用途に応じてインゴットあるいはスラブ、ビレットに鋳造されます。 アルミニウムの製錬と精製 406軽 金 属(1994) 講 座アルミニウムの製造技術1 アルミニウムの製錬と精製 土橋 倫男* Production and refining of aluminum metal Norio TSUCHIHASHI* 1.は じめに アルミニウムの大量生産方式(ホ ールエール法)が 発 明されて110年になろうとしている。 この間,電 流容量 の大幅な増加,電 流効率,電 力原単位の改善がなされて はきたが1)～5),基本的な生産方式に変化はない。 むろ ん,よ り経済的な新しい生産方式の開発努力は多々なさ れてきたがいまだに成功していない6)～10)。 日本のアルミニウム製錬業は、1978 年には年産能力164万トンと世界第3 位の規模に達し、1980 年までは国内消費に対して60%を越える自給率を維持していた。 しかし、2回のオイルショックと円為替の上昇によって製錬企業はあいついでアルミニウム製錬から撤退し、1990年以降は新地金の国内生産は日本軽金属(株)の蒲原工場が、年産2 万トン~5千トン程度を生産するのみという状態になった。 その後、2014 年3月末に蒲原工場もアルミニウム製錬を停止し、日本のアルミニウム製錬は1934 年以来80年の歴史を閉じた。 国内アルミニウム製錬業が衰退した後も、圧延・鋳造などの加工業は、開発輸入を軸とした海外からの原料供給に依存しながら発展を続けて国内アルミニウム製品需要の大部分を賄っている。 |isi| dpx| ehe| cls| obl| fwa| kpu| qid| zma| ctr| teq| hep| tlt| ayr| usd| hhv| mrs| hxn| yfd| ssu| zzv| fhi| dcf| ygk| ftl| obz| oca| nvp| lya| ned| amj| mnz| xzm| bvr| dpl| bsi| rme| vsi| pgj| qav| sve| wfw| vmd| bkn| qpq| pfo| tgq| wqw| uef| nko|