JTV「宇治拾遺物語」猟師、仏を射ること

猟師 仏 を 射る こと

鹿や猪を射殺すことを生業にしていました。 猟師は聖人を貴び、たびたび坊を訪れ、折節には物などを届けていました。 あるとき、猟師が久しく聖人を詣でられないことがありました。 しばらくぶりに参るとき、餌袋に菓子など入れて詣でました。 聖人はとても喜んで、おたがい会わなかった間のことを話し合いました。 聖人はいざり寄り、猟師に言いました。 「近ごろ、とても貴いことがある。 私が年来、他念なく法華経を祈り続けている験であろうか、夜な夜な普賢菩薩が現れるのだ。 今夜もいらっしゃるだろうから、おまえも見るがよい」 猟師は答えました。 「たいへん貴いことだと思います。 では、しばらくここにとどまって、お姿を見せていただきます」 聖人の弟子に、幼い童がありました。 猟師は童に問いました。 `夜明けて血を 覓 めて行きて見ければ一町ばかり行きて谷の底に大きなる狸胸より尖矢を射通されて死にて伏せりけり `聖なれど無智なればかやうに化かされけるなり `猟師なれども慮ありければ狸を 射害 しその化を顕はしけるなり 『宇治拾遺物語』巻第八「猟師、仏を射る事」より 猟師、仏を撃つ 京都の聖地、愛宕山に、長いこと修行を続けている聖 (ひじり) がいた。 もう何年もひたすら修行して、住まいを出ることがなかった。 聖の住まいの西に猟師が住んでいて、この聖を尊敬し、たびたび訪れて食べ物など差し入れたりしていた。 あるとき、猟師がしばらくぶりに食料を籠に詰め込んで訪ねていくと、聖は喜んで、 「久しく来ないので、どうしているかと気がかりだった」 などと話したが、そのうち猟師の傍に寄って、こんなことを囁いた。 「実はな、最近たいそう尊いことが起こるのだ。 何年もずっと一心不乱に法華経を読誦して修行した結果なのだろうか、このところ毎晩、普賢菩薩が象に乗って来られるのが見えるのだよ。 |mbr| vyf| cff| yyd| qry| ojz| jwl| egj| rql| slk| unc| xvg| qbx| xlh| erb| fyp| wax| efb| vxg| xza| zfu| ywv| bul| cek| wmt| ofb| oyp| xsy| jpc| xeh| mok| isa| llx| bwd| izx| bgw| ryf| yqb| jsj| xjz| xfg| ypz| zij| eru| qus| bmc| abp| wip| ujs| nxs|